事例紹介
導入事例
MD業務標準化に向けて共同プロジェクトを推進

「徹底した顧客視線による顧客価値向上」を掲げて、複数のプロジェクトを推進しているベイクルーズグループ様。プロジェクトの管理・運営を行う組織としてCS推進室を2013年3月に設立後、全社プロジェクトの一環として、同年12月オリンパスシステムズとの共同活動"MD業務標準化プロジェクト"をスタートした。ベイクルーズグループCS推進室を統括する窪田光平取締役のインタビュー(取材元:繊研新聞社)を交え、共同プロジェクトの導入背景からその成果までをご紹介。

ベイクルーズグループ様

2016年2月
ベイクルーズグループ様
http://www.baycrews.co.jp/
導入対象サービス:MD業務構築支援サービス

<取材ご協力>
ベイクルーズグループ CS推進室統括 窪田光平 取締役
株式会社繊研新聞社 監物 様

 

■ ベイクルーズグループ様が抱える課題

 

窪田取締役

――プロジェクトの発端は?
「創業から35年経ちパートナー(従業員)は3300人にもなり、経営環境も大きく変わった。しかし、業務の内容は創業当初から大きく変わっていない。一方で、各ブランドで顧客満足向上を担うパートナー教育制度を設け「ベイクルーズが顧客に提供すべき価値」をパートナーに伝える仕組みはある。ただ、グループの強みである各ブランドの「色」の強さは、合衆国のような風土につながり、全グループが統括して進めるべき課題もある。

そこで、変革を進める中心となるパートナーが困っていること、不都合に感じていることを聞くことから始めた。12年6月実施の全社アンケートでわかったのは、組織、個人の仕事の仕方に問題があるということだった。」
(窪田取締役)

パートナーからは「業務が多い、残業が減らせない」といった声も聞かれた。"経営環境は大きく変わっていない。組織、個人の仕事の仕方が違っているのではないか"という命題を確認する必要があった。そこで、こうした調査・コンサルティングに実績があるオリンパスシステムズをパートナーに選び、2013年12月より、プロジェクトを発足した。

 

■ 共同プロジェクト発足

共同プロジェクト発足

同プロジェクトは、ベイクルーズ窪田取締役とオリンパスシステムズユーバス事業部の西岡大輔グループリーダーをそれぞれリーダーとして、両社がプロジェクトチームを組んで推進するという特徴的な運営方法をとった。互いに推進室を置くことにより、トップダウンでのプロジェクト運用を可能にし、スムーズな取組みを実現した。

具体的な活動内容は、取組みを第1、第2と段階的にフェーズを分け、各ステップを踏みながら課題整理・解決への検討を行っていく。(左図参照)

2013年12月から業務の現状ヒアリングを行い(1ブランド平均10名様程度)、これを踏まえMDプロセスをチェック。ブランド責任者とともに課題を整理し、解決すべき内容の優先順位を決めていく。オリンパスシステムズが長年アパレル企業をサポートしてきた経験からアパレルMDのモデルを確立していることが、ここで力を発揮する。

 

■ 社員が自ら課題を見つけ出す問題意識づくり

プロジェクト第1フェーズは、「一人ひとりがどんな仕事をどのくらいの頻度でこなしているか」、この調査から着手した。主要な担当者にヒアリングを行い、現状業務をフローチャートに落とし込みながら可視化し、課題を抽出・整理した。併せて、解決への優先順位決めを行った。

プロジェクトの対象ブランドは、株式会社ルドームのレディス「イエナ・スローブ」と、同じくメンズ「417・バイ・エディフィス」。この2ブランドを対象としたのは出店が急速に拡大していることが理由。そのため人の定着率にも問題があった。またオリジナル比率が高く、生産コントロールがしやすいこともある。ここで作った仕組みを他のブランドに広げていくことになると考え、さらに半年後、株式会社JS.WORKSの「ジャーナルスタンダード・レリューム」で第1フェーズのヒアリングを始める。これも出店が急増しており、オリジナル比率が高いブランドだ。

第1フェーズで想定外だったのは、ヒアリングを受けたパートナー自身の「気づき」が多かったこと。プロジェクトの肝はパートナー自らが課題を見つけ出す問題意識づくりで、これ自体意義のあることだった。自分の仕事を整理して「自分はここが足りなかった」というパートナーが少なくなかった。

 

■ 業務プロセス標準化による課題解決

第2フェーズは、オリンパスシステムズの持つ店頭フェイス設計のノウハウや52週MDのモデルを生かし、店舗のフェイスに合わせた定量的計画を立案する業務設計、つまり52週MD計画(手法)を作る。第1フェーズで抽出された課題解決には、フェイス設計や52週MD業務の組み立て方などオリンパスシステムズが持つノウハウが欠かせないものがあり、また「ヒアリングを通じでできた両社の信頼感」(窪田取締役)が第2フェーズへのプロジェクト継続を後押しした。ブランディングのプロジェクトも動いており、そのための業務を組み立てていくことも課題であった。一人ひとりの業務を明確にし、ブランドがどこを目指しているかを業務フローに落とし込む。それらの業務が連動してブランドの価値を高める、第2フェーズはそこまで行った。

現在3ブランド共に第1、2フェーズを経て実行フェーズに入っており、「自分のブランドでも」という社内の声も上がっている。インポート比率の高いブランドならば、新たなチャレンジになるが、将来の競争力となるはずだと、期待を寄せている。

 

■ 実行フェーズでいち早く成果。「科学的に見る」仕組み・風土作り進む

「イエナ・スローブ」

2014年6月から業務設計の第2フェーズに入り、その成果を2014年秋冬から活用を始めた株式会社ルドームのレディースブランド「イエナ・スローブ」では、早速効果が挙がった。

その取組みの基本は、「科学的に実績を振返ること」(窪田取締役)2014年秋冬に活用できる事は限られていたが、「効果はすぐに出た」。プロパー消化率が高まり、粗利率が4~5ポイント向上した。マークダウンや追加、在庫集約のタイミングの精度向上が要因と見ている。

「科学的に見る」ために、「6週間の販売期間なら最低2週間は見る」「消化率何%になったら追加」「何週間で欠品率何%なら在庫集約」といったルールを明文化した。毎週月曜にMD責任者がルールに沿って判断し、マーチャンダイザーやエリアマネージャーなど企画担当者も含めて皆で情報共有する。誰にでもわかり、後から検討・判断し、次シーズンに生かす基準もできつつあるという。

2015年春夏は企画立案段階から活用。既存店売上げが前期比10%増で推移し、全ての既存店が前年をクリアするという大きな変化が出た。計画段階で設定する戦略商品も徹底でき、明確な効果が出たことで、戦略商品の位置づけが現場にもリアルに受け止められたようだ。

 

■ 社内会議、社員のモチベーションにも変化

社内会議

社内内見会も変わった。 「戦略商品がはっきり分かり、コーディネイトや投入期間も一目で分かるようになった。いつも以上に真剣に見入る姿が目立った」という。目に見えて売上げが伸びたことでプロジェクトに対する評価もモチベーションも上がっている。

2014年秋冬では、商品関連の帳票は、キーの商品とそのコーディネイト商品などの写真や絵型も含めビジュアルを入れる。担当が作成し、社内内見会でも皆に伝えようとする意識が強まっているという。明文化ルール作りも徹底する。

窪田取締役は「業務上の判断が早くなり標準化されてきた。 変化が速い消費者に対応するには標準化は欠かせない」と現状を評価する。ただ「これまでやってきたことは、実はそれほど新しいことではない」ともいう。

しかしオリンパスシステムズとの共同プロジェクトの形は、これまでにないもの。
同社の科学的分析ノウハウを移植するだけでなく、外部の人を入れることで緊張感をもって取り組む決意の表れでもある。

 

■ 今後の取組み

株式会社ルドームのレディス「イエナ・スローブ」、メンズ「417・バイ・エディフィス」、株式会社JS.WORKSの「ジャーナルスタンダード・レリューム」の第2フェーズは終了し、現在は実行フェーズに入っている。

来期は、ベイクルーズグループは新しい中期経営計画がスタートする。その中で、今回行ったMD業務標準化プロジェクトの成果を、他5、6ブランドに広げる予定。歴史があり、チームもより大きいブランドが対象となるため、「反発もあるかもしれないが、何をしようとしているか理解を得て、素早く成果を出す」考えだ。

>>MD業務構築支援サービス
>>取材ご協力いただいた繊研新聞社様はこちら


 

 

Copyright Olympus Systems Corporation All Rights Reserved.