事例紹介
導入事例
セレクトショップでのUVAS導入「人」ありきのMD変革

セレクトショップという形態を活かしながら「united arrows green label relaxing」(以下、green label relaxing)を先駆けとし、各事業部にUVASの「MD業務構築支援」を導入し、業務効率を上げた株式会社ユナイテッドアローズ様。導入からその具体的な効果までを同社 執行役員 業務支援本部長 佐川八洋様に伺いました。

 

株式会社 ユナイテッドアローズ様

2009年4月
株式会社 ユナイテッドアローズ様
http://www.united-arrows.co.jp/
導入対象サービス:MD業務構築支援サービス

 

■ 納期コントロールが難しく、流動的な店舗展開を改善

 

sagawa.jpgのサムネール画像

弊社の場合は、基本的にセレクトショップというセールス形態を取っています。国内・海外ブランドを含めた仕入れ商品と独自のデザインから創り出す自主企画生産商品をミックスし、その小ロット多品番のバリエーション感でお客さまに同業他社とは違った魅力を感じていただきお買い物を楽しんでいただくというビジネスモデル。メンズとウイメンズ、そしてそれぞれのドレスラインとカジュアルラインと、大きく四つのカテゴリーを同じ器の中で、一つの世界観の中に閉じこめた形で展開させています。非常に商品の幅も広いですし、奥行きのめりはりも商材によっては非常に波があります。

 

もともとの考え方としては、店舗を出し、売上が順調に上がって、坪効率が一定水準に飽和すると増床し、今まで展開していなかった商材をそこにオントップすることでさらに拡大していくという戦略のため、フェイス数も店によって大きな差がありました。

2003年、2004年に入り期末全社売上高は429億円になり、売上は飽和状態になってきました。けれど、セレクトショップの特徴として、国内外の多種多様な商品を仕入れるため納期コントロールが難しいということで、逆に納期概念があまりない。もちろん、おおよその展開時期というのは想定しているのですが、約1カ月単位の発想で必然的に商品の入荷がかち合ったり薄い時期が出たりして、戦略的な店頭フェイスを構成しづらい状態になってしまっていました。これは創業期から抱えている問題でした。

そこで、全社展開店舗数も50店舗を超え来店客層も多様化していた頃、そろそろフェイス起点での商品陳列展開をベースにした「逆発想のモノづくりのスケジュールコントロール」する考え方が必要な時期だと感じていました。UVASのサービスを導入することを考えましたが、一斉導入は今までない業務が大量にMDやディストリビューターに発生するということで、難しいかも知れないと不安もあったのですが、社内公募で手を挙げたのがgreen label relaxingだったのです。まずは成功事例をつくろうと考えました。

 

■ 新しい突破口としてのUVASのサービス

当社は、異なるターゲットに向けて14のストアブランド名を掲げたセレクトショップを展開しています。green label relaxingは全社の中でも、かなりSPA比率が高い事業です。当時UNITED ARROWS(以下、UA)ブランドはメンズのドレスもカジュアルも含めて、自主企画の生産品といわれている商品の構成比が40%ぐらいで、60%近くは国内外の仕入品かOEM製品でした。green label relaxingは70%が自社生産で非常にSPA比率が高かったため、比較的UVASの機能が発揮されやすい商品構成の特徴がある事業でした。

1998年、結婚している30代後半から40代という方々への新規事業としてgreen label relaxingが立ち上がり、既に2004年段階では業務も安定していました。比較的チェーンストア化された理論で事業を進めているため、店舗の区画もほぼ標準化されています。展開品番も仕入品のシェアが低い分だけ、品番も絞られて比較的アパレルに近いオペレーションができていました。また、当時の商品責任者がアパレル出身でUVASのサービスをよく分かっていたことも功を奏しました。

まずは店頭のフェイス量調査を行い、それから商品の生産サイクルやサンプルアップも含め、スケジュールを全部照らし合わせました。当時のgreen label relaxingは売上が伸び悩んでいたので、次の新しい突破口として当時の事業責任者がUVASのサービスを最大の戦略テーマとして掲げ、現場の人間も巻き込んで進めてくれたのがその頃の状況でした。

 

■ UVASのサービス導入で起こったMD変革

 導入時のgreen label relaxingは、MDメンバーが交代した直後の時期で、業務レベルに差が出てしまっていました。しかし、UVASのフェイス起点のモデルというのは、比較的それが標準化できます。担当直後のMDは「MDが駄目だから売上が上がらないんだ」と、売り場から言われていたので、彼らとしては非常に悔しい思いをしていたようです。そこでUVASのサービスを利用して挽回してやろうとモチベーションは高かったですね。

 UVASのFC(フィールドカウンセリング)担当者とのコミュニケーションも良好で、「一緒にgreen label relaxingを良くしていこう!」と、活気づいていました。

 まずは「MDSS(Merchandising Decision Support System)」や、「MD展開計画」のシステム運用が始まり、真面目に品番別の稼働・非稼働管理であるとか、毎週必ず週次推移の帳票を見るなど、定型的なUVASが提案する業務の流れをコツコツとやり始めました。

 

■ 売上を安定成長させながら、在庫を調整

 2005年のSS(Spring Summer)が本格的なサービス稼働時期となりました。2月、3月は売上効果を最大限には出せなかったのですが、GWあたりからメンズドレスもメンズカジュアルもウイメンズも劇的に売上が上がり始めました。特にメンズドレスとウイメンズの上がり方は異常で、前期比約150%になりました。ウイメンズは、その時期に新しいデザイナーが就き、商品企画がトレンドに乗った追い風も大きかった。

UVASがもたらした成功の要因としては、「MDSS」を入れたことでしょう。そして稼働・非稼働管理。売れていないものは商品鮮度の期限が来たらすぐにフェイスから外して、アウトレットに送るという流れができました。フェイスの鮮度が上がって、なおかつ以前より売れているものの投入サイクルが早くなりました。こうなると、さっきの悔しい思いをしていたMD連中は非常に意気揚々となっていましたね。「どうだ!」みたいな(笑)。

 ただ、売上は非常に上がったのですが、在庫も増えました。欠品させずに売上をどんどん上げようという手法なので当然、在庫投入は過多になる。だから2005年のSSにgreen label relaxingでは非常に多くの在庫を残してしまいました。

 しかし私はUVASのサービス導入時というのは、そういうものだと思っています。まず初年度は売上も上がるけれども、在庫も増える。その後に、売上を安定成長させながら、在庫を調整して商売効率を上げるという手順になるということです。まさにgreen label relaxingがそうで、2006年から業績を上げながら効率も上げていく方に向かい始めました。

 効果をまとめて言うと、過去の欠品が減ることによって売上が想像を絶するぐらい伸びる。そこで飽和して、その瞬間は在庫過多になる。次に、売上を維持し在庫を減らしていく。それが安定した後は、本当の意味で商品の良し悪しが見えてきます。マーケットの影響で波はありますが、店頭フェイスの変動要素は確実に減っていきますね。

 

■ 問題点の露呈、解決策を生むUVASサービス

UAへは、2006年のSSシーズンに準備し、まずはウイメンズへの本格導入が決まりました。green label relaxingと決定的に違うのは店舗面積規模、ひいては店頭のフェイス量。例えば、店舗により16倍の差があるなど商品構成や量が過剰に複雑化していました。当時は、シーズンの反省をするときに「なぜこんなに在庫があまったのか」「なぜ欠品しているのか」などの問題点を分かりやすく検証するツールがなかったので、UVASが提供するシーズン振返り資料は、次シーズンのMDプランを立てるときに非常に役に立ちました。

 green label relaxingとは違って難易度が高かったのは、仕入品のシェアが高いということです。仕入品は納期コントロールができない。しかしながら、ある程度コントロールが効く衣料品の自主企画品をメインに、まずはフェイスの設計とコントロールを行いました。

 UNITED ARROWS本部内に、「UVASのサービスそのものが売上を上げるわけではないが、その道具としての効果はあるだろう」という認識が持たれました。そこで、メンズにも導入されたのです。

 2008年は売上低迷期に入ってきて市況はさらに厳しくなり、メンズに関してはもちろんそれ以外の要因もありますが、UVASのサービスを導入したことによる効果がきっちり検証できる結果が出ませんでした。しかし、UVASシステムの帳票を元に早く追加判断するとか、稼働・非稼働管理を行いフェイスの鮮度を保つとか、無駄な停滞期間を作らずにアウトレットに早くものを送ろうとか、シーズンの反省をUVASが提供する資料を元に行うことが浸透していき、導入した効果は発揮できていると考えています。

 

■ UVASのサービスを最大限に活かすために

green label relaxingについては、UVASの仕組みが完全に定着していて、現場のリクエストもありカスタマイズもされ、社内のお手本になるぐらいの使い方をしていると思います。

弊社には、「MD推進プロジェクト」というのがあり、UVASシステムから抽出される定型帳票の他に、プロパー消化率、セール消化率やセール時の換金率などを毎週算出しています。今までの売上高を主指標にしていた売上至上主義から、視点が間違いなく変わってきていますね。その分析による成果が早く軌道に乗った背景にはUVASのインフラがあったというのは間違いないことだと思います。

UVASのサービスは、絶対に必要となる基本的な作業をしっかりとやらなければいけない。もちろんそれをやるのは結局、人間なのです。現場の彼らに何をもって動機付けできるかというのは、おそらく業績を上げることしかない。それが体験できると長期的に浸透するし、その体感がどんな理由であれ無い場合は浸透しにくいと思います。しっかりかいた汗がその先で実りに繋がるので、最初の半年ぐらいを辛抱できるかできないかにかかってきますね。

 

■ 幾何学的センスのサポート体制

 UVASのサポート体制はFCの人柄も独特のキャラクターがあって、個性をブランドのテイストに合わせてもらっているようです。MDと終業後にもよくコミュニケーションをとっているようで、すごくいい関係だと思います。UVASのサポート体制には非常に満足しています。

 私が考えるに、ある程度モノづくりにこだわって、じっくり企画してシーズンの立ち上がりの時に主張の入ったトレンド商品を展開するというような、モノへのこだわりが深い事業を行っている企業は、このUVASの仕掛けが本当に活きると思いますね。今後は、納期コントロールがしにくい仕入品と、ほぼ管理できる自主企画生産商品の区分けをした上で、弊社らしい業務モデルのつくり方というのをさらに追求していこうと考えています。

ユナイテッドアローズという複数ブランドのセレクトショップを展開する企業として、最も強いバリューチェーンをグループ独特の品揃えとして構築しようというのが、向こう3年ぐらいの最も大きな経営テーマです。UVASが今まで培ってきたノウハウを提供、発言、提言してもらい、道をずれないように支援していただくことを期待しています。洋服屋ルーツにはいい意味でもこだわりがあり過ぎることがあるので、幾何学的視点というか、全く違う角度で指南いただきたいですね。

sagawa2.jpg

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